仙台市、復興事業「青天井」継続

仙台市は2015年度一般会計当初予算の編成方針をまとめた。東日本大震災の復興計画が最終年度を迎えるため、復興事業は引き続き予算要求額に上限を設けず、完了に全力を挙げる。同時に復興後を見据え、魅力ある都市づくりを図る施策にも予算を重点的に配分。厳しい財政状況を踏まえ、歳入確保と歳出削減を徹底する。
 各部局が必要額を要求できる対象は、重点政策の「大震災からの再生・復興の実現」「仙台の未来を確かにする取り組みの前進」に該当する事業。半面、義務的経費などを除く一般経費は、前年度の枠内に抑えるゼロシーリングとした上で、さらなる圧縮に努める。
 15年度の財源不足は、約314億円の見込み。将来の人口減少による市税などの収入減と、少子高齢化を受けた社会保障関係経費の急増は避けられず、各部局に既存事業の見直しをはじめ、財源捻出に最大限の努力を求める。
 13年度決算では、資材不足や入札不調で工事が遅れるなどして658億円の繰越額が発生。震災前の09年度(215億円)の3倍以上という高水準にあるため、事業の適切な工程管理と迅速化に努めることも明記した。
 西城正美財政局長は「財政は厳しいが、絞れるところは絞り、メリハリのある予算編成で復興を実現したい」と説明する。

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