仙台市、若者支援の体制強化 「こども財団」も設立 新年度予算案一般会計6147億円

仙台市は1日、過去最大となる総額6147億円の2023年度一般会計当初予算案を発表した。子供未来局を「こども若者局」に改称し組織を拡充。子どもから若者まで「将来の担い手」を切れ目なく支援する体制を構築する。デジタル化による市役所の業務改革やまちづくりに重点配分した。企業会計と特別会計を含めた総会計も過去最大の1兆1891億円となった。

 一般会計は、こども若者局の設置に合わせ「仙台こども財団(仮称)」の設立に1300万円を計上した。外郭団体の設置は22年ぶりとなる。宮城県の次期地域医療計画(24~29年度)に意見を反映させることを見据え、市独自の医療政策の基本方針を定める事業費に1553万円を充てる。

 デジタル化による市役所窓口の利便性向上に8759万円を投じる。小学校の35人以下学級は、現在の1~4年生を5年生まで広げ、人件費などに1億2809万円を充てた。

 スタートアップ(新興企業)の持続的な発展環境の整備に約1億円を投じて取り組む。人的ネットワーク構築や情報発信のための拠点を首都圏に設けるほか、研究開発型のビジネス創出のための短期集中支援プログラムを実施する。

 ワクチン接種費など新型コロナウイルス対策の費用は205億円。政府が感染症法上の位置付けを「5類」に引き下げた場合の減額補正も視野に入れる。

 歳出は、職員の定年延長が23年度に始まるため退職金が大幅に減り、人件費が4・2%減。扶助費と公債費の増加分を差し引いても義務的経費は減少した。投資的経費は市営住宅の建て替えなどの影響で15・1%増の765億円となった。

 歳入は、市税が3・4%増の2266億円、国庫支出金は4・8%増の1205億円。市債発行は普通建設事業費の増加に伴い4・1%増の631億円。財源不足は355億円に上り、3年連続で市債管理基金から借り入れるなどした。

 郡和子市長は定例記者会見で「厳しい財政事情の中で(市民や企業の)挑戦や活躍を支え、仙台の未来を切り開いていけるような予算にした」と強調した。

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