仙台市は、東日本大震災の復旧復興費を中心に編成した2011年度予算の補正額を、震災以降最大の1057億円規模とする方針を固めた。地滑りや擁壁崩壊が多発した丘陵部の宅地復旧に約291億円、津波で被害を受けた沿岸部の防災集団移転促進に約237億円を配分する。12月初旬に開会する市議会12月定例会に提出する。
補正額の内訳は、一般会計約972億円、特別会計約2億円、企業会計約83億円。一般会計では、市独自の復興事業に充てる財源を蓄える「震災復興基金」を新設。市への寄付金や復興宝くじの収入、特別交付税など計100億円を積み立てる。
国の制度に該当しない被災宅地に対する市単独の支援制度も創設し、復興基金から約30億円を充当する。市内4000カ所を超える宅地災害の復旧事業費は9月定例会で可決された補正予算と合わせ、市が想定するほぼ全額を計上した。
沿岸部の防災集団移転促進では、移転先の用地取得、移転に伴う補償などの費用を見込んだ。災害公営住宅約1000戸分の整備費約67億円も計上。被災者に対する災害援護資金貸付金として約200億円を盛り込んだ。下水道事業会計は、津波で壊滅した南蒲生浄化センター(宮城野区)や管きょの復旧で約83億円を増額した。