仙台市、農家負担肩代わり 東部沿岸圃場整備

 仙台市は27日、東日本大震災の津波で浸水した東部沿岸地域の農地約1800ヘクタールで区画の大規模化や集約化を推進するため、圃場整備事業の農家負担分を市が肩代わりし、全額公費で実施する方針を明らかにした。1区画の面積は、同地域に多い10アールや30アールから1ヘクタールへの拡大を基本に据え、震災前より生産性の高い農地への再生を目指す。
 農地の復旧と区画変更を行う国直轄の「農用地災害復旧関連区画整理事業」を活用。通常の費用負担割合は国と県で計約98%、市約1%、農家約1%だが、今回は市が約2%を負担し、農家の負担をなくす。
 全ての対象農地で実施した場合に想定される総事業費は約160億円で、市の負担額は約3億2000万円。市は事業区域や整備内容について農家や関係機関と調整した上で、早ければ2013年度に順次着工する。
 市によると、津波で被災した農地の復旧に伴う圃場整備事業をめぐり、農家の費用負担を免除する枠組みを設けたのは県内で初めてという。
 奥山恵美子市長は27日の定例記者会見で「自宅や農機具を失い資金が必要な中、個人負担があると圃場整備に踏みだせない農家が増えると考え、全額公費の枠組みを準備した。圃場を一体整備し、地域農業の基盤を早く、より高いレベルで復旧させたい」と述べた。
 対象農家への説明会は11月上旬から3地区に分けてそれぞれ2回開く。日時と場所は次の通り。
【六郷地区】11月9日午後6時半、12日午後2時=ウェルサンピア仙台
【七郷地区】10日午後6時半、12日午後6時=同
【高砂地区】12日午前10時=同、14日午後6時=岡田小体育館

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