仙台市、集団移転先の造成完了

仙台市は26日、東日本大震災の防災集団移転促進事業として実施していた市東部の移転先7地区の宅地造成工事が終了したとして、宅地の引き渡しを始めた。今回で市内全13地区の宅地造成は全て完了。住宅再建の基盤が整い、2015年度に家づくりが本格化する。
 7地区は宮城野区の「田子西隣接」(160区画)「上岡田」(65区画)や若林区の「荒井西」(183区画)「七郷」(33区画)などの計533区画で、面積は計約27.1ヘクタール。
 若林区荒浜をはじめ、災害危険区域に指定され、住めなくなった地域の元住民が移り住む。4月以降に順次、住宅建築が始まり、早い人は8月ごろにも入居できる見通しとなった。
 26日は市役所で記念式典があり、奥山恵美子市長が各地区の住民代表7人に宅地引き渡し書を交付。奥山市長は「大きな節目を迎えることができた。新しい古里としてまちびらきできるよう、ともに力を合わせていきたい」と述べた。
 宮城野区の仮設住宅自治会長で「田子西隣接」に移る佐藤修一さん(64)は「新たな一歩を踏み出すことができて感謝する。温かな古里をつくりたい」と語った。「荒井西」に移転する若林区の末永薫さん(48)は「震災から4年でここまでたどり着けた。再建への実感が湧いた」と感慨深げだった。
 7地区の宅地のうち、市が手掛けた5地区が2013年10月に着工。民間が土地区画整理事業で整備した2地区は12年12月と13年6月に工事が始まった。

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