仙台市、10市立保育所の廃止検討 民営化方針を転換

仙台市は8日、保育サービスを強化する「地域拠点保育所」を除く市立保育所に関し、将来の保育需要が見込めない場合、施設の建て替え時に民営化する従来方針を転換し、廃止を検討する考えを明らかにした。

■22カ所は公設公営を維持

 市は2014年に「公設公営」を維持する地域拠点保育所を22カ所指定し、それ以外は建て替え時に「民設民営」に切り替える方針を打ち出した。市立保育所は現在33カ所あり、11カ所の民営化を予定していた。

 廃止の検討は23年度に民営化する中田保育所(太白区)を除く10カ所=表=が対象。8カ所は施設の新改築から30年以上がたち、8カ所は21年4月時点で定員割れとなっている。

 市は22年度以降も保育需要があり、民間参入が見込まれる保育所は民営化方針を維持するが、それ以外は定員を段階的に削減し、廃止に向けた作業を進める。ただ、周辺に代替の民間施設がない保育所は公設のままとする。

■需要は23年度がピークか

 市の試算によると、市内の保育需要は23年度の2万2975人をピークに減少に転じる見通し。民間を含めた保育施設の欠員は21年度に1317人で、16年度の828人と比べ約1・6倍に拡大している。

 廃止の検討は、市が8日の子ども・子育て会議の部会で説明した。今後、関係団体や保護者の意見を聞き取り、6月の子育て会議で報告する。杉田剛幼稚園・保育部長は「待機児童解消を目指し、保育施設の受け皿を増やしてきたが、需要は減っている。保育行政は転換期を迎えた」と話した。

タイトルとURLをコピーしました