仙台市が行う東日本大震災で発生したがれきの焼却処理が29日、完了した。処理したのは、石巻ブロック(宮城県石巻市、東松島市、女川町)からの受け入れ分を含め約26万トン。火納め式では、復興の一端を担った関係者が作業完了を祝った。
若林区にある井土搬入場の仮設焼却炉で29日にあった式典には関係者約20人が出席した。市環境局の大友望局長は「関係者の真摯(しんし)な取り組みによって、作業を完了できた。ご協力いただいたことに感謝したい」とあいさつした。
市は、焼却炉の設置と運営を担ったプラントメーカー3社に感謝状を贈った。
市は、井土と荒浜(若林区)蒲生(宮城野区)の各搬入場に仮設焼却炉を設置し、2011年10月から順次、24時間稼働させてきた。石巻ブロック(石巻市、東松島市、女川町)からの受け入れ分約5万トンを含め約26万トンを焼却処理した。
市内では、一般廃棄物の約4年分に当たる約135万トンのがれきが発生し、約74%がリサイクルされる。土砂などの津波堆積物は約130万トンで、コンクリートくずと混ぜて海岸堤防や道路の盛り土として約97%を再利用する。リサイクルや埋め立て処分は年内に完了する予定。
仮設焼却炉は来年2月月までに解体を終える見通し。搬入場は年度内に更地となり、防災林や海岸公園などとして整備される。
環境省によると、岩手、宮城、福島3県で発生したがれき1608万トンのうち、処理は8月末時点で1314万トン(82%)まで進んでいる。津波堆積物は62%の処理を終えた。