仙台市は7日、市中心部の機能強化を図る「都心再構築プロジェクト」の第1号に、NTT東日本グループのNTT都市開発(東京)が青葉区中央4丁目で手掛ける「NTT仙台中央ビル(仮称)」を指定した。老朽建築物の更新を後押しする市の都心部建て替え促進助成制度を適用。高機能オフィスの整備を条件に、オフィス部分の固定資産税相当額1年分を助成する。
NTT仙台中央ビルは、2017年に閉鎖された仙台中央ビルを建て替えて整備する。敷地面積は約3000平方メートル。23年6月の完成予定で、東北大青葉山キャンパス(青葉区)で23年度の運転開始を目指す次世代型放射光施設との連携を見据えた複合ビルとなる。
上層部は放射光施設を利用する企業向けオフィスで、高い天井や間取り変更が容易な構造など高機能オフィスの要件を備える。下層部は学生や起業家が共同利用するコワーキングスペース、企業の研究者が寝泊まりする寄宿舎を設ける。
地上階には市民参画空間として「イノベーションスペース」や店舗を設置。建物北側の市道に接する部分は広場空間とし、都心のにぎわいづくりに貢献する。
高機能オフィスの整備でNTT都市開発は容積率の緩和も目指す。最大2倍の緩和が認められれば、容積率は1200%まで引き上げられる。当初の構想では16階程度、延べ床面積約2万4000平方メートルの新ビル計画だったが、19階建てで延べ床面積約4万平方メートルの規模への変更を検討する。
郡和子市長は定例記者会見で「新型コロナウイルスの感染拡大が収まった後を見据えると重要な一歩。第2、第3の指定につながることを期待している」と語った。
NTT都市開発の担当者は「市や次世代放射光施設の関係者との連携を一層深め、NTTグループの技術を活用しながら、周辺エリアのにぎわい創出に貢献するまちづくりをする」とコメントした。