仙台市が宅地復旧助成を1年間延長 被災者の申請伸びず

 仙台市は19日、東日本大震災で被災した丘陵部宅地向けの復旧工事助成制度について、申請期限を2015年3月末まで、1年間延長すると発表した。手続きがよく分からない所有者が多く、申請は助成対象の被災宅地の約2割にとどまっている。今後、制度の内容説明を図り、申請を促す必要があると判断した。
 助成対象の被災宅地は市全体で3207カ所ある。宅地保全調整課によると、申請は10月末時点で638件で、19.8%にすぎない。一方で、申請は現在でも、月15件前後寄せられている。
 手続きが進まない原因を探るため、同課はことし8~10月、未申請の宅地所有者に抽出アンケートを実施。復旧する意思の有無や、申請しない理由を聞いた。
 復旧工事を考えている所有者は全体の49.8%で、半数を占めた。そのうち36.3%が「工事費用が分からず、不安がある」、30.6%が「工事会社の選び方など、復旧をどのように進めたら良いのか分からない」と回答した。工事業者から「すぐにはできない」と断られ、工事に着手できないケースもあった。
 制度は、擁壁再建や整地などの工事で100万円を超えた額の9割を補助する。上限額は1000万円。制度の中身を知らず、工事費用が高額になることを心配して、見積もりをしていない所有者もいるとみられる。
 被災宅地の復旧工事を行わないと、二次災害の危険性もある。同課は「申請期限の延長に合わせ、復旧の進め方や制度の内容を説明する資料を送付するなどし、復旧を働き掛けたい」と説明している。

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