人生の最期に向けて準備する「終活」の支援条例制定に向け、仙台市議会の超党派でつくる検討会議は「今を大切に生きる終活支援条例(仮称)」の骨子案をまとめた。市が関連施策を総合的に推進し、不安を抱える高齢者らが気軽に始めやすい環境づくりを図る。来年の6月定例会での議員提案を目指す。
骨子案は、終活を「生きている『今』を大切にしながら、自己の希望と周囲への影響を考慮し、人生の最期および死後の手続きに関する準備を行う活動」などと定義。市の基本的施策の方針として、終活に関する相談支援や市民が終活に取り組みやすい環境整備、終活に関する情報の収集と広報を挙げた。
具体的には(1)各部局にまたがる相談窓口の一本化(2)1人暮らしの高齢者らの身元保証などに関する登録制度(3)生前葬儀・死後事務契約への対応(4)関連事業者の認定制度の創設-を想定する。推進に必要な財政上の措置を講じる条文も盛り込む方向だ。
条例に定める基本理念や市の責務、事業者や市民の役割は今後詰める。本年度内には条例案を固め、パブリックコメント(意見公募)を行う方針。
検討会議は4月に発足。厚生労働省や県司法書士会、県葬祭業協同組合など5団体への聞き取りに加え、終活支援条例を制定した神奈川県大和市などの視察に取り組んだ。加藤健一座長は「少子高齢化の進展で高齢単身世帯が増え、終活のニーズが高まっている。市民が安心して暮らせるように条例案を制度設計し、市の支援事業に結び付けていきたい」と話す。