新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、仙台市が設定した制度融資の認定件数が、2008年のリーマン・ショック時を上回る勢いで増えている。3月6日の制度公表から1カ月余りの4月8日時点で、市が適用を認めた件数は761件に達する。市は融資が円滑に実行されるよう態勢を増強して対応している。
市は前年比で売上高が減少した企業を対象に、利率年1.3%の制度融資「セーフティネット保証4、5号」「危機関連保証」を設定。市独自に年0.67~0.8%の信用保証料を全額補給している。
市が制度適用を認定し、県信用保証協会が保証を付けた上で、市内に本店がある地方銀行、信用金庫など22機関が融資を実行する。
市によると、日々の認定件数は増加傾向で推移。担当者は「リーマン時の制度融資は2カ月で874件の認定だった。当時より速いペースで認定件数が積み上がっている」と話す。
1件当たりの融資額は2000万円程度。当初、市は飲食業や宿泊業の申請が多いと見込んだが、小売りや卸売り、サービス、建築、理美容など幅広い業種からニーズがあるという。
一方、市内の事業者からは「融資実行までに1カ月はかかり、スピーディーでない」「保証料をいったん事業者が支払わなければならず、工面が難しい」など使い勝手に注文が付く。
市役所内に設置した相談窓口には1日から市職員のほか、元銀行員や中小企業診断士らも配置し、円滑な相談対応に向けた態勢強化に乗り出している。
市の担当者は「速やかに保証料を補給できるよう、手続きを簡便化する準備を進めている。資金繰りが行き詰まる前に、できるだけ早く窓口に相談に来てほしい」と呼び掛けている。
連絡先は市地域産業支援課022(214)1003。