仙台市は景観法に基づく「景観地区」に、定禅寺通(青葉区)と宮城野通(宮城野区)を中心としたエリアをそれぞれ指定する方針を決めた。街並み形成に関わる規制はこれまで条例で定めていたが、法による区域指定で景観を損なう行為の抑制効果を高める。市によると、景観地区の指定は宮城県内では初めて、東北では岩手県平泉町に続き2例目という。
範囲は定禅寺通地区の約13ヘクタールと、宮城野通地区の約21ヘクタール。現在は条例で「景観形成地区」に指定され、建物の形態や壁面の色彩などが周囲と調和するよう基準が設けられている。法に基づく指定で今後、現状変更の認定申請や罰則の対象となる。
景観地区の指定に合わせ、市は「街並み形成ガイドライン」を作成する。建築物の用途や高さ、敷地面積などを定めた「地区計画」、屋外の看板や張り紙などのデザインの基準となる「広告物モデル地区」といった制限内容を事例ごとに整理する。
各地区の景観形成の基本目標も設定し、定禅寺通は「ケヤキ並木と調和し、文化の薫り高い魅力ある街並み」、宮城野通は「ゆとりとうるおいある環境を活(い)かし、躍動感のある都市文化と生き生きとした暮らしの舞台」とする。
具体的な空間の活用事例も「誘導指針」として示し、街路と一体的に利用できるオープンスペースの創出、歩道に面した開放感のあるカフェテラスの設置などを挙げる。
市は景観地区指定のための関係条例改正案を市議会12月定例会に提出する考え。