仙台市の無駄な電気代、まだ闇の中 市民負担の可能性も

仙台市が道路の照明灯を撤去したのに解約手続きを怠り、無駄な電気代を払い続けていた問題が、過払い額の全体像すら見えない状況に陥っている。

 市側は電気代の返還が可能かどうか東北電力と交渉する方針だが、約款上難しい可能性が高いといい、最終的には市民が尻ぬぐいすることになる可能性がある。

 市が問題を発表したのは2月1日。2010年ごろから1800件分の電気代を過払いしていたという。市と東北電は照明灯の電気代を使用量ではなく、1本当たり月額約300~400円で定額契約。撤去時に各区道路課の担当者らが東北電に廃止を届ける必要があった。

 無駄な電気代の総額は、闇の中だ。市は当初、推計で約1億5千万円と発表。その後、記録が残っている1148件分については約9200万円だったと推計し直した。ただ、残る652件については記録すらなく、調査を担当している道路保全課は「特定は困難」とする。

 誰が弁済するのか。郡和子市長は2月5日の定例会見で弁済について問われた際、「(東北電との契約の)約款上なかなか難しいのではないか」。かみ合わない回答に、重ねて「税金での補塡(ほてん)は仕方ないか」と問われても「特定の職員の非違行為とは言えない。市民の皆さま方には本当に申し訳ない」と述べ、職員をかばった。

 今回の事態は照明灯をLED化する作業の中で、電力契約だけが残っている事例が多数あったことから発覚した。市は職員122人から聞き取り調査を行ったとしているが、年度内に対策や責任の所在を明示することはなかった。

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