仙台市は1日、市中心部の機能強化を図る「都心再構築プロジェクト」で、老朽ビルの建て替えなどを誘導する「都市再生緊急整備地域」の拡大を目指し、準備協議会を設立すると発表した。内閣府が7月31日に「仙台都心地域」を区域拡大の候補地としたため、拡大範囲などを検討する。
準備協議会は市、県、国、金融機関の担当者や学識経験者でつくる。早急に人選し、年内に発足させる。
国が2002年度に指定した緊急整備地域は地図の通り。青葉区の青葉通を中心に約79万平方メートルが範囲となっている。今後、企業集積が進むJR仙台駅東口など、緊急整備地域に加えたい区域と整備方針を検討し、国に意向を伝える。
市は再構築プロジェクトで、緊急整備地域にあり、1981年以前に建てられた老朽ビルの更新に助成金を創設した。同地域では国も財源を負担する市街地再開発補助金を拡充し、事業化を強く後押しする。区域が拡大されれば、こうした支援策の適用範囲を広げることも可能になる。
緊急整備地域は都市再生特別措置法に基づき、国が重点的に市街地を整備する地域を指定する。18年7月以降は国が候補地を示し、各地の準備協議会がまちづくりを議論する仕組みとなった。これまで全国7地域が候補地となり、東北では仙台が初めて選ばれた。
市都市計画課の担当者は「都心部の状況は、最初に指定を受けた02年から大きく変わった。区域拡大を民間投資を呼び込むきっかけにし、都心部のにぎわい創出につなげたい」と話す。