仙台市ガス民営化 最終提案期日を6月末まで再延長

仙台市は30日、ガス事業民営化に向けた事業譲渡先の公募手続きで、応募者による最終提案審査書類の提出期限を31日から6月30日に再延長すると正式に発表した。提案審査を経た優先交渉権者の決定も3カ月ずれ込み、8月下旬となる。
 新型コロナウイルスの影響を理由に応募者から再延長の申し出があり、市が受諾した。市は2月にも期限を今月5日から31日に延長しており、2回目となる。2022年度中に事業譲渡する全体のスケジュールは変更しない。
 市は応募状況を一切明らかにしないが、東北電力、カメイの地元2社と東京ガス、石油資源開発(東京)の4社の企業グループが応募したとみられている。
 市によると、首都圏に出された緊急事態宣言と、今月18日からの県と市の独自の緊急事態宣言で対面交渉が困難となり、業務の引き継ぎに関する協議に支障が出ている。応募者は提出期限の再延長のみ申し出ており、400億円の最低譲渡価格など他の公募条件の変更は求めていないという。
 郡和子市長は市議会各派代表者会議に出席し、再延長を報告。「事業譲渡後も安全安心が確保され、より良い提案につなげるため延期は必要」と強調した。
 自民党の橋本啓一氏は「応募者に振り回されているようにしか見えない。ガス事業は市民の財産だ」とくぎを刺し、民主フォーラム仙台の村上一彦氏はガス局庁舎(宮城野区幸町)の土壌汚染を念頭に「応募辞退が一番心配だ」と憂慮した。
 共産党市議団の嵯峨サダ子氏は「民営化は中止すべきだと考える。せめて凍結するべきだ」と訴えた。
 氏家道也ガス事業管理者は「応募者はさらに協議したいと申し出ており、運営への意欲はある。言うべきことは言う」と理解を求めた。「土壌汚染は応募段階で示しており、応募者はそれを検討して提案価格を決める。(最終提案前に)提案価格を協議することはない」と語った。

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