仙台市は1日、ガス事業民営化で、事業継承者の公募を2日に開始すると発表した。ガス局のホームページ(HP)に募集要項を掲載。10月29日に応募を締め切り、提案内容の審査を経て来年5月下旬に優先交渉権者を決定し、2022年度内の事業譲渡を目指す。
優先交渉権者の選定は、提案内容を総合的に審査する「公募型プロポーザル方式」で実施し、専門家の市ガス事業民営化推進委員会(委員長・橘川武郎国際大大学院教授)が審査する。
200点満点のうち全体事業方針、安定供給と保安体制の2項目に各40点を配分。市民サービス向上と地域経済活性化の2項目に各30点を充てた。譲り受け希望価格は60点で、最低譲渡価格を400億円とした。
順守すべき「基本条件」には(1)事業譲渡後5年間のガス料金の引き上げ禁止(2)市内に本社を置く事業譲り受け会社の新設-などを設定。提案内容の履行状況を確認するため、市に対する報告を5年間義務付ける。
応募資格は単独企業か複数企業グループ。構成員に一般・特定ガス導管事業者を含むことを条件とする。応募や選定の状況は、優先交渉権者が決定するまで公表せず、事後に結果と経過を市民に明らかにする。
市は事業譲り受け会社に出資しない。財団法人を21年夏以降に設立し、市と新会社の双方が職員や社員を派遣。財団は新会社から業務を受託し、保安業務などのノウハウを引き継ぐ。
郡和子市長は定例記者会見で「長年の懸案だったガス民営化がいよいよ大きく前進する。価値ある民営化となるよう民間ならではのアイデア、ノウハウを生かした多くの提案があることを期待する」と語った。