仙台市ガス譲渡 最低400億円 民営化委の答申判明

仙台市のガス事業民営化で、専門家の民営化推進委員会が近く提出する2次答申の概要が24日、判明した。事業継承者の公募条件で最大の焦点だった最低譲渡価格は、消費税などを除き400億円に設定した。9月上旬に公募を開始し、提案審査を経て来年5月下旬に優先交渉権者を決めるスケジュールを提案する。
 推進委は今週中に郡和子市長に2次答申を手渡し、市は内容を踏まえて早期に公募要項を決定する。
 答申概要によると、事業者選定は提案内容を審査する「公募型プロポーザル方式」(200点満点)で実施する。応募者が提示する譲り受け希望価格に60点を配分。最低譲渡価格からの上積みで点数が増える。600億円以上を提示し、全応募者の最高額となった場合に60点が与えられる。
 推進委が最低譲渡価格を400億円とした根拠は現時点で不明だが、市には譲渡収益でガス事業の企業債(借金)を一括償還したい考えがあり、2018年度末の残高375億円が目安になるとみられていた。
 残り140点は応募者が提案する原料調達やガス料金、サービス水準の方針や地域経済への貢献、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みなど社会貢献の姿勢に配分する。
 事業継承者が順守すべき「基本条件」には(1)市内を本社とする事業譲り受け会社を新設(2)譲渡後5年間はガス料金の引き上げや本社移転、事業用不動産譲渡などの禁止(3)現行の保安・サービス水準の維持-などを挙げた。
 電気、通信、セキュリティーなど生活関連サービスとのセット販売、地元からの継続雇用、地元関連企業との取引機会拡大などは、事業継承者に期待する「要請事項」として盛り込む。
 応募は単独企業か複数企業グループが対象。10月下旬に資格審査書類の提出を締め切り、応募者を確定する。来年4月中旬に提案内容のプレゼンテーションを実施し、推進委が優先交渉権者を決め、協定締結を経て22年度に事業譲渡する。

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