仙台市交通局は2023年度決算に基づき、市バスの路線別の収支状況を示す「営業係数」をまとめた。新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ乗客数は回復が続き、約9割の路線で前年度より収支が改善したが、コロナ禍前の水準には戻らず、全44路線が4年連続で赤字となった。
9割の路線で前年度より収支は改善
営業係数は100円の収入を得るためにかかる費用で、「100」を超えると赤字となる。数値が大きくなるほど採算性が悪い。
23年度の路線別係数は表の通り。最大は余目線の1242(前年度比18ポイント減)、最小は桜ケ丘線の113(2ポイント減)。全路線の平均は165。前年度より4ポイント低下し、3年連続で改善した。
通勤通学需要の回復傾向を反映し、39路線で改善したが、根白石線など4路線が悪化した。
全路線の営業収支は38億8017万円の赤字。物価上昇による経費増が響き、赤字幅は16路線で1億円を超え、24路線で前年度より拡大した。赤字額の最大は営業収入、営業費用ともに最も多かった鶴ケ谷・南光台線の3億3683万円。
交通局は市バスの経営状況を周知するため、10月下旬から全路線の係数一覧表を循環観光バス「るーぷる仙台」を除く全450台の車内に掲示する。交通局のホームページや市地下鉄南北線、東西線の全駅、市民センター60カ所にも貼り出す。