仙台市バス16年連続赤字 地下鉄は7年連続 22年度市公営事業決算

 仙台市は2022年度の公営事業の決算と実績をまとめた。地下鉄とバスの交通2事業は乗客数が新型コロナウイルス流行前の9割前後まで戻ったものの、収益は経費を賄うまでに至らず純損失を計上し、累積赤字も拡大した。水道、下水道、ガス、病院の4事業はいずれも純利益を確保した。
■地下鉄 
 1日平均乗客数は南北線が21年度比8・8%増の17万3848人、東西線が13・8%増の7万5268人。19年比では9割まで盛り返し、乗車料収入は順調に回復の兆しを見せたが、赤字は解消できず、7年連続の赤字決算となった。
■バ ス 
 1日平均乗客数は7・6%増の8万7456人。19年比で8割台半ばまで戻った一方、燃料費や修繕費がかさみ、16年連続の赤字となった。新型コロナの影響を踏まえた資金不足対応で特別減収対策企業債を発行し、企業債残高が増えた。
■水 道 
 広瀬川に架かる水管橋の塗装や配水管の修繕で経費は増えたが、水道加入金や基本料金の収入が伸び、8年連続の黒字を維持した。累積の黒字は約83億円で過去最高となった。年間総配水量は前年度比1・0%減の1億2010万立方メートル。
■下水道 
 下水道使用料は前年並み。汚水処理のための電気代や施設管理の委託料がかさんだが、企業債利息の減少などで純利益を確保できた。黒字は10年連続で、黒字の累積額は約44億円。年間の総処理水量は1・2%減の1億4534万立方メートル。
■ガ ス 
 料金の上昇による使用控えなどが響き、年間販売量は1・9%減の2億6639万立方メートル。販売単価の上昇分が液化天然ガス(LNG)といった原料の価格高騰分を上回り、収益を押し上げた。9年連続の黒字を計上した。
■病 院 
 外来患者は新型コロナ前と同水準の21万9297人。入院は13万9005人でコロナ前の9割に回復した。医業収益が前年度比で8・5%伸びた。黒字は3年連続。約3億円の純利益があり、累積赤字は4・1%圧縮した。

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