仙台市は7日、市中心部の老朽建築物の建て替えを後押しする「都心再構築プロジェクト」に、大手ゼネコン鹿島が建設を計画する「仙台中央三丁目(仮称)」など青葉区のオフィスビル3棟を追加したと発表した。にぎわい創出の空間確保といった高機能オフィスの要件を満たしたため、助成制度の適用とビルの容積率緩和を認める。
3棟の建設予定地は地図の通り。仙台中央三丁目のビルは、東二番丁通と南町通の交差点角にある駐車場と既存ビルの跡地に整備する。敷地面積は約1350平方メートルで、2025年2月の完成を見込む。
1981年に旧耐震基準で建てられた既存ビルの解体期間中、市は固定資産税相当額を助成する。容積率の緩和は事業者と協議している。
七十七銀行グループなど出資の会社が広瀬通沿いに23年11月の完成を見込む「仙台国分町(仮称)」は地上10階、地下1階。東京建物が24年1月に完成を予定する「仙台駅前南町通(仮称)」は地上12階、地下1階となる。仙台市は各オフィスビルの容積率を最大200%上乗せする。
市の都心再構築プロジェクトは19年7月に始まったが、対象は20年4月公表の「アーバンネット仙台中央ビル」(青葉区)だけだった。郡和子市長は定例記者会見で「時間がかかったが、ようやく取り組みの成果が出てきた。プロジェクトを民間投資のさらなる喚起につなげたい」と述べた。