仙台市は7日、東日本大震災で大規模な地滑り被害が発生した太白区緑ケ丘4丁目で進める防災集団移転促進事業に関し、集団移転先以外に住宅再建した被災者のローン利子補給など、津波被災地と同様に独自支援を行う方針を明らかにした。
市は、単独移転した被災者にも国事業の集団移転世帯と同じように、住宅再建資金を借り入れた際の利子相当額(上限708万円)を助成。集団移転先の土地を市から借りて住宅再建する場合も、借地料を最長50年間免除する。
集団移転事業では、災害危険区域指定を前提とした移転跡地買い取り、引っ越し費用補助(上限78万円)など、国による個人負担軽減策がある。
市は当初、独自支援の適用対象を、家屋や家財を失った沿岸部の被災世帯に限る考えを示していた。高齢で自力再建が難しい世帯が多い緑ケ丘4丁目の地域事情などを考慮し、方針転換した。
緑ケ丘4丁目では、現地再建が困難な84世帯が集団移転の対象となる見通し。5割弱が集団移転を望み、4割は既に移転したか移転する意向という。
市は、11日に住民説明会を開いた後、9月上旬をめどに2.2ヘクタールを自宅の新・増築ができない災害危険区域に指定。10月に事業計画の策定作業を始める。被害が小さい災害危険区域周辺の19世帯は、公共事業による宅地復旧工事を行う。