仙台市は東日本大震災の防災集団移転跡地の利活用事業で、農園や交流施設などを計画する3事業者を候補者に決定し、4日に市役所で通知書を交付した。今回決まったのは若林区荒浜、藤塚両地区の6区画(2万6810平方メートル)。これまで募集した5地区31区画(44万7260平方メートル)のうち、97%で利活用の方針が固まったことになる。
荒浜地区は1区画が今野不動産(青葉区)、2区画が平松農園(若林区)に決まった。今野不動産は農園やイベント広場がある交流施設「ラララ♪ガーデン」(仮称)を整備。平松農園は新規就農者の支援、小学校と福祉施設の農業交流を展開する農場を設ける。
藤塚地区の3区画は仙台reborn(青葉区)に決定。建設業の深松組(同区)などが設立した特定目的会社で、隣接区画に整備するレストラン、農園、温泉などの複合施設「アクアイグニス仙台」の駐車場用地として借り受ける。
市は今年8月の3次募集で宮城野区南蒲生、新浜両地区を加えた4地区10区画の事業者を募り、5事業者が6区画に応募した。外部専門家らの選定委員会が審査し、3事業者を決めた。
郡和子市長は通知書の交付式で「来年は震災発生から10年目に入る。ここまで復興できたと目に見えるように、市沿岸部を盛り上げてほしい」と激励した。