仙台市人口21年にも減 19年の自然減加速は2.5倍に

仙台市の2019年の人口動態で出生数が死亡数を1270人下回り、3年連続の自然減となったことが16日、分かった。18年の自然減は506人で減少幅は約2.5倍に拡大した。転入数が転出数を上回る社会増はあったが、人口増加数は12年ぶりに2000人を割り込んだ。今後、同じ規模で自然減が拡大した場合、21年には人口減少局面に突入する可能性がある。

 市によると、出生数と死亡数の推移はグラフの通り。19年は出生7861人、死亡9131人だった。18年比で出生が634人少なく死亡が130人多くなり、自然減は764人に拡大。出生が8000人を下回ったのは、丙午(ひのえうま)の影響を受けて落ち込んだ1966年以来となる。
 出生数は2014年から減少、死亡数は13年から増加が続く。17年に初めて出生が死亡を下回り96人の自然減となった。減少数は18年に大きくなり、19年は落ち込みがさらに加速した。
 区別の自然動態は、青葉699人減(18年は469人減)、宮城野161人増(333人増)、若林27人増(95人増)、太白323人減(144人減)、泉436人減(321人減)。青葉、太白、泉で減少幅が広がり、若林と宮城野で増加幅が小さくなった。
 19年の社会動態は県内の他市町村への転出が鈍化したため、18年を199人上回る2745人増だったが、自然減と相殺した全体の人口増加は565人少ない1475人にとどまった。2000人を下回ったのは07年以来となる。
 今後、19年と同じペースで毎年764人ずつ自然減が大きくなり、2700人の社会増が維持されたと仮定すると、21年には人口が減少に転じるとみられる。
 市政策企画課の松田智子課長は「自然減の拡大は今後も続くだろう。若い世代が働きたい、子育てしたいと思える施策を展開し、どれだけ社会増を維持できるかが課題だ」と指摘する。

タイトルとURLをコピーしました