仙台市公営事業、回復基調 復興需要で人口増要因

仙台市は、2012年度の公営事業の決算と実績をまとめた。東日本大震災による事業休止や復旧費計上で収支が悪化した11年度と比べ、復興需要に伴う人口増などによって収支が改善、回復基調となった。地下鉄、水道は黒字を維持し、ガス、病院は黒字に転換。下水道は2年連続で赤字だったものの、純損失は大幅に減った。
 地下鉄の乗客は11年度より約440万人(8.1%)増え、6年ぶりに5800万人台を確保した。乗車料収入は8.0%増の約107億400万円だった。一般会計からの補助金は約38億300万円で、総収益に占める割合は11年度比2.0ポイント減の24.5%。15年度開業の東西線建設に約451億5500万円を支出。資材不足の影響で約434億1000万円を繰り越した。企業債残高の増加傾向は変わらず、1342億円に上る。
 下水道は南蒲生浄化センター(宮城野区)の災害復旧費や、他の被災施設の固定資産除去損が減り、総費用が26.0%減った。使用量は震災前水準に戻り、純損失は11年度の約56億4000万円から約9億9700万円へと大幅に圧縮された。
 ガスの販売量も震災前水準に持ち直し、総収益は11年度比11.5%増の約389億8300万円。液化天然ガス(LNG)の原料価格は1キロ当たり約93円と13.1%値上がりしたものの、復旧費用や固定資産除去損が減少したため、約5億6600万円の純利益を計上した。
 病院は診療報酬の改定や患者数の増加で、総収益が11年度比8.4%増の約130億6200万円。14年の開院を目指す新病院建設に伴い、流動負債額は60.1%増の約22億2600万円に上った。建設資材不足により約1億2000万円を繰り越した。

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