仙台市地下鉄東西線、開業5年 コロナ直撃で利用者27%減

仙台市地下鉄東西線は6日、2015年12月の開業から丸5年を迎えた。5年目の利用者は過去最低の1日平均4万5800人(速報値)。新型コロナウイルスの影響が直撃し、4年目の6万2800人から27.1%も落ち込んだ。前年同期を下回るのは開業以来初めて。通勤・通学客が多い平日でも5万5100人の利用にとどまった。
 開業5年間の1日平均利用者数の月別推移はグラフの通り。開業時の需要予測8万人にはいまだ届いていない。5年目は昨年12月、今年1月が前年同月を上回ったものの、2月以降は新型コロナ感染の広がりとともに大きく減少した。
 高校や大学などの臨時休校、外出自粛、緊急事態宣言が重なった4月は2万7300人(前年同月比59.3%減)、5月は2万3900人(63.8%減)と記録的に少ない利用となった。学校が再開した6月から持ち直し、10月には前年同月の8割の水準まで回復した。
 全13駅で前年を2~4割程度下回った。大学キャンパスに近接する駅の減少幅が大きく、川内駅が43.3%減、青葉山駅が35.1%減、八木山動物公園駅が31.3%減となった。相次ぐイベント中止で国際センター駅も40.0%落ち込んだ。
 駅別の利用者数は南北線と結節する仙台駅が1日1万4200人で最も多い。次いで青葉通一番町駅が4800人、薬師堂駅が3800人、八木山動物公園駅が3300人、卸町駅が3200人の順となった。
 市交通局営業課の三浦孝行課長は「リモートワークやオンライン授業、イベント自粛が今なお継続し、コロナ以前の利用水準になかなか戻らない。地下鉄の感染症対策を周知し、安心して乗ってもらえるように努めるしかない」と話す。

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