仙台市地下鉄東西線13.9キロ貫通 沿線開発の加速課題

 2015年開業予定の仙台市地下鉄東西線が17日、本格着工から7年を経て、「動物公園」-「荒井駅」の13.9キロが全線貫通した。土木工事にほぼめどがつき、間近に迫った開業に向けて沿線開発の加速が今後の課題となる。
 青葉区の「一番町駅」地下1階であった貫通式には、市や工事関係者約200人が出席。スイッチを押して地下3階を走るトンネルを除幕し、鏡開きで貫通を祝った。
 南北線と十字の交通軸を形成することになる東西線は、震災後の百万都市発展のけん引役とされる。佐藤正昭市議会議長は「東西線は南北線と一体となり、バス、JRと結びついて交通体系の骨格となる」とあいさつで強調した。
 期待の一方で、開業後の採算性に対する市民の不安はいまだに根強い。市は昨年、東西線の1日当たりの利用者予測を開業許可時(03年)より33%少ない8万人に下方修正。沿線開発は思うように進まず、実際の乗客はさらに減る懸念もある。
 市は6月、沿線のにぎわい創出を目指し「東西線フル活用プラン」を発表。今月16日には官民連携組織「市民応援部」を発足させるなど、てこ入れに躍起だ。奥山恵美子市長は「応援部の発足式では東西線に抱く夢を多く聞いた。沿線まちづくりをしっかり進めたい」と語った。

タイトルとURLをコピーしました