仙台市立病院跡地どうなる?式場やホテル…

仙台市立病院が昨年11月に太白区あすと長町に移転し、売却予定の若林区清水小路の跡地利用に関心が高まっている。「交通アクセス良好な市中心部にある 上、まとまった面積を持つ貴重な物件」(市内の不動産業者)と、跡地1.8ヘクタールに注がれる視線は熱を帯びる。市は一等地という面を重視。まちづくり の視点を加味して売却の方法や条件、スケジュールを慎重に検討する方針だ。
跡地は市地下鉄南北線五橋駅に近く、目の前を国道4号が走る。周辺には東北大と東北学院大のキャンパス、商店街があり、昼間人口も多い。
利便性が高いだけに、デベロッパーや不動産業者が興味を示しているとの観測が飛び交う。東北学院大も跡地を取得し、泉区の泉キャンパスを一部移転する構想を抱く。
市は売却益を新病院の整備費に充てる方針だが、単なる公有地とは事情が異なり、都市機能向上につながる利用が望ましいと判断。売却は所有者の病院に加え、まちづくり政策と財政の2局に担当させる。
市まちづくり政策局の坂本知靖政策調整課長は「整備費の一部に見込む以上、高値で売ることが重要だが、それが全てではない。実施中の土壌汚染調査の結果を踏まえ、3者で連携しながら方向性を考えたい」と話す。
注目される跡地に関し、市内の不動産業者は「病院が立っていたため、マンション開発業者は敬遠するのではないか」と指摘。「企業の自社ビルや結婚式場、ビ ジネスホテルが想定される。立地を考えれば、坪単価は100万~150万円でも手を挙げるところが出てくるはずだ」とみる。
市が関わった市内の 大規模な土地売却では、昨年1月に約220億円で落札された青葉区の東北大雨宮キャンパス(9.3ヘクタール)のケースがある。同大は市、仙台商工会議所 と協議し「医療・福祉・健康増進」「商業・生活利便」「まちなか居住」の各機能を備える土地利用を売却条件とした。
協議に携わった商議所の間庭洋専務理事は「人口減少社会の中、コンパクトで質の高い都市構造をどう展開するかを重視した。病院跡地の場合も、仙台の活力が高まる利用につなげてほしい」と期待する。

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