仙台市財源不足934億円 震災影響市税収入が減

 仙台市の2013~15年度の財源不足が3年で総額934億円に達することが、市の財政推計で分かった。東日本大震災で市税収入が減る一方、生活保護費など扶助費の増加が見込まれるのが主な要因。市は津波浸水地域の宅地かさ上げなどに独自支援を予定しているが、国の財政支援が得られない場合、市の財政事情はさらに切迫する。
 3年間の財源不足はことし2月の推計と比べ、半年で44億円増えた。単年度の不足額は、13年度が317億円、14年度が312億円、15年度が305億円。
 歳入では、柱となる市税収入は震災前の10年度決算(1725億円)と比べ13年度で56億円、14年度で22億円それぞれ減る。15年度は1723億となり、震災前の水準に回復する。
 震災関連で大幅に増えた地方交付税は、ほぼ横ばいとなる見通し。復旧・復興事業の地方負担が震災復興特別交付税で手当てされるため、市債の発行は本年度の983億円から毎年100億円以上減少する。
 一方、歳出の合計は各年度5800~5500億円台と算出した。人件費や公債費は本年度と同水準だが、扶助費は生活保護の受給者増などで着実な増加を想定。本年度に1440億円を計上した投資的経費は災害復旧事業の終了で、15年度には987億円にまで減る見込み。
 市は12~15年度、全職員の年収を平均3.1%削減するなど、一定の歳出削減策を講じている。しかし、防災集団移転などに伴う独自支援策に対し、国の支援が得られない場合は自主財源で賄うことになる。
 財政局は「基金の取り崩しなど財源不足への対応余力は縮小している。早期の復興が求められる一方、不確定要素も多く、財政運営は厳しさを増している」としている。

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