仙台市は民間公募していた東日本大震災で津波被害を受けた市農業園芸センター(若林区)の再整備事業で、北関東を中心に農産物直売所や農業資材店を展開する「ファームドゥ」(群馬県)など3社による共同事業体の提案の採用を決めたと発表した。
他の2社はNTTデータ・カスタマサービス(東京都)と農業生産法人こもろ布引いちご園(長野県)。事業体は市から土地や建物を借り受けてセンターの運営を担う方向だ。具体的な事業では、農業者向けに栽培技術や販売ノウハウ、ICT(情報通信技術)活用の研修などを行い、高収益化を支援する。
センター内には地場産品のレストランや冬も稼働する植物工場型農園を開設。食農体験学習を行い、市民が農業と触れ合う機会も設ける。総事業費は16億円で、運営期間は2015年から20年間の見通し。
昨年9月に始めた公募には、3事業者が名乗りを上げ、有識者による評価委員会が提案内容を審査した。3社の事業体が「優先交渉権者」として、事業の詳細を市と協議し、早ければ今月下旬に基本協定を結ぶ。