仙台市長に民共系・郡氏初当選 自公敗北、政権痛手

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任期満了に伴う仙台市長選は23日投開票が行われ、民進、共産など野党4党が支援する新人の元復興政務官、郡和子氏(60)が、自民、公明両党の県組織と日本のこころが支持する葬祭業社長、菅原裕典氏(57)ら他の新人3人を破り、初当選した。内閣支持率が下落する安倍晋三政権にとって、与党候補が“民共共闘”候補に敗れたことは大きな痛手となる。

投票率は44・52%で、過去最低だった前回の30・11%を14・41ポイント上回った。

市長選は、東日本大震災の復興対策などが争点だった。同時に、自民党が大敗した2日の東京都議選直後のタイミングで、しかも与野党対決の構図となっただけに、勝敗は国政に直結するとして注目されていた。

民進党は当初、郡氏への目立った応援は控えていたが、地元民放の元アナウンサーとして知名度が高い同氏の「優勢」が伝わると、枝野幸男前幹事長らが相次いで応援に駆けつけ、政権批判を繰り広げた。さらに、共産党が組織をフル動員させたことで郡氏の勝利につながった。

菅原氏も政党色を前面に出さない選挙戦を展開し、自民党も「ステルス」作戦に徹し、国会議員は街頭演説を控えた。一方で各種団体の組織固めに努め、宮城県の村井嘉浩知事や引退する奥山恵美子市長も応援に駆けつけた。それでも、逆風下での厳しい選挙戦を強いられ、都議選からの連敗を阻止できなかった。

元衆院議員の林宙紀氏(39)と元衆院議員の大久保三代氏(40)は市政刷新を訴えたが、及ばなかった。

■民進・蓮舫氏、求心力回復なるか

野党は、郡和子氏が与党系候補を下したことは安倍晋三政権への厳しい評価が下ったとして勢いづき、次期衆院選に向けて“民共共闘”が加速しそうだ。ただ、民進党は東京都議選で敗北し執行部が責任を問われる事態になっている。蓮舫代表は25日の両院議員懇談会で野田佳彦幹事長の交代を含む人事刷新を表明する意向だが、仙台市長選の勝利をきっかけに求心力を少しでも回復させ、党運営の主導権を握れるかどうかが問われる。

民進党の安住淳代表代行は23日夜、仙台市の郡氏の事務所で記者団に「自民党支持層からも政権批判票が来た」と述べた。また、共産党の支援も大きな勝因だったと強調し、今後の“民共共闘”に関して「しっかりした枠組みで受け皿を作れば十分、自民・公明両党に対抗できる」と語った。

民進党は自民、公明両党が推薦する現職に野党系新人が挑む横浜市長選への追い風にしたいところだ。また、4野党は昨年の参院選に続き次期衆院選でも共闘することにしており、候補者調整を加速させる。

ただ民進党では“民共共闘”に異論もあり、路線対立につながる恐れがある。

■自民、「都民」旋風ないのに…深刻

仙台市長選で与党系候補が敗れたことは、自民党にとって東京都議選の大敗以上に深刻といえる。都議選は小池百合子都知事が率いた「都民ファーストの会」の旋風が吹き、無党派層や「反自民」の受け皿となって民進党も議席を減らす事態になったのに対し、同市長選は「都民」不在の国政と同じ与野党対決の構図で戦い、“民共共闘”に負けたためだ。

安倍晋三内閣の支持率が急落する逆風の中、与党系候補が勝利すればムードを一変するきっかけになり得たが、連敗で窮地に追い込まれたといえそうだ。党勢立て直しが急務となる。

自民党宮城県連会長の愛知治郎参院政審会長は仙台市内で記者団に「厳しい戦いだった」と述べた上で、政権への影響については「別の問題だ」と強調した。逆に、公明党の斉藤鉄夫選対委員長は「安倍政権への逆風は感じた。国政への批判もあった」とのコメントを発表した。

今後も自民党の党勢を左右する地方選が控えている。30日投開票の横浜市長選は自民、公明両党が推薦する現職に対し、野党系新人2人が挑む。8月3日の内閣改造・党役員人事後に行われる茨城県知事選(8月10日告示、同27日投開票)は、7選を目指す現職に対して自民党推薦の元経済産業省職員らが出馬表明し、保守分裂選挙となる。

さらに、自民党の白石徹氏の死去に伴う衆院愛媛3区補欠選挙が10月に行われる。自民党は徹氏の次男の公認を発表、野党側も候補一本化を模索し、与野党の総力戦となる見通しだ。

一方、都議選で「都民」との選挙協力に踏み切った公明党は、仙台市長選では自民党とともに菅原裕典氏を支援した。ただ、仙台市長選の敗北は「革新系が強い地域」(公明党選対幹部)のためだとしても、自公連携に暗い影を落としたことは間違いない。

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