仙台市4施設 命名権決まる 目標金額届かず 市長「今後に期待」

 東日本大震災の復興財源を確保する目的で、仙台市が募集していた市民利用施設の命名権(ネーミングライツ)について、同市は16日、勾当台公園市民広場(青葉区)など4施設の業者が決まったと発表した。命名権料は目安にしていた年間5000万円には届かず、約2300万円にとどまる見込みだが、奥山恵美子市長は「4社の実施が次のステップにつながれば」とし、今後の広がりに期待を表明した。
 命名権は区役所や学校、保育所などを除く市民利用施設全般を対象に、昨年12月から今年3月にかけて業者を募集した。業者側が施設を選択するのが特徴。
 今回決まったのは、勾当台公園市民広場=東北放送(仙台市)命名権料1050万円▽青年文化センター(青葉区)=日立システムズ(東京都)同1千万円▽宮城広瀬総合運動場(同区)=仙台環境開発(仙台市)同160万円▽仙台市科学館(同区)=住友スリーエム(東京都)同100万円。期間は青年文化センターと宮城広瀬総合運動場が5年、勾当台公園市民広場と仙台市科学館が3年となる見通し。5月までに契約内容の協議調整を行い、協定書を締結したうえで、6月以降に新名称での運用を始める。
 市は命名権料を1施設100万円以上(消費税別)とし、年間で5千万円程度の収入を目標にしていた。目標に達しなかったことについて、市財政局は「問い合わせはけっこうあったが、景気動向も背景にあったかもしれない。反響が出れば再募集も検討したい」としている。
 泉岳自然ふれあい館(泉区)にも応募があったが、建設中に火災で焼失したため、施設の再整備の状況を見極めた段階で再度選定作業を行うという。
 仙台市の施設ではサッカーJ1「ベガルタ仙台」の本拠地「ユアテックスタジアム仙台」が平成18年から命名権を導入。命名権料は5千万円で、施設維持費などに充てられている。
 奥山市長は会見で「厳しいビジネス環境の中で、4社が市の施設のPR効果を評価して応募してくれたことに感謝したい。これが復興への弾みになれば」と評価した。

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