仙台市HPのコロナ情報「分かりづらい」 市民から改善求める声

仙台市の新型コロナウイルス感染症に関する情報発信に対し、市民から不満の声が上がっている。感染拡大の動向や支援策を伝える市のホームページ(HP)は「分かりづらい」と改善要望が相次ぐ。会員制交流サイト(SNS)を活用した情報提供など工夫にも乏しく、首長のタイムリーなメッセージ発信も少ない。

 市はHPに新型コロナの特設ページを開設。市内の感染者の発生状況、市民と事業者向けの支援策や相談窓口、市立学校や保育施設の対応などの情報を集約するが、評判は良くない。

◎更新遅く不便

 市広聴統計課によると、市民から「欲しい情報にたどり着けない」「関連情報のリンクがない」と不便さを嘆く声や「最新情報がすぐにアップされない」と更新の遅さを指摘する意見が寄せられているという。
 市内の発生状況は感染者を年代と性別で示し、記者発表時の資料を添付するが、濃厚接触者との関係などが分かりづらい。行動歴把握が進まず「調査中」のままの項目も少なくない。
 市民の関心が高いPCR検査の情報は、発生状況と異なる「市民の皆様へ」と題したページにあり、探し当てるのに一苦労する。
 福島県は特設ページの書式を東京都に倣った。検査数や陽性者、入院患者、退院者の数がグラフや表で一目で分かる。福島市は記者発表後に判明した行動歴などを随時、追加情報として市HPに載せている。

◎SNS活用を

 SNS活用に積極的な自治体も多い。山形市は無料通話アプリLINEやフェイスブック(FB)で、前日の検査数と結果を毎日正午までに配信している。
 登録数はLINEが約1万6300人、FBは約3000人。同市の担当者は「検査結果は市民が気になるところ。迅速な公表は安心につながる」と強調する。
 仙台市も危機管理室のツイッターや広報課のFBで一定の情報を提供するが、更新頻度は多くなく、内容も感染予防や外出自粛の呼び掛けなどにとどまる。
 郡和子市長の情報発信も弱い。市HPやFBページ「郡和子事務所」に市民へのメッセージを掲載するが、FBの関連投稿は2カ月間で10件未満。福岡市の高島宗一郎市長らがSNSなどを使い、市民が寄せた疑問に直接答えている積極姿勢に比べて物足りない。
 仙台市は大型連休後、各種給付金の問い合わせが急増すると予想し「探しやすいHP」へのリニューアルを急ぐ。ただ、郡市長の情報発信に関しては「政治家の活動」(市幹部)として本人に委ねている。

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