仙台沿岸 活性化の種まく 津波被害の新浜地区に体験農園

東日本大震災の津波で被災した仙台市宮城野区岡田の新浜地区に4月、体験農園がオープンした。地元町内会などでつくる管理運営委員会が防災集団移転の跡地を利活用する市の事業を用いた。地区内外から利用者を呼び込み、沿岸部の活性化につなげる。

 農園は跡地利活用事業の「地元利用ゾーン」として、市が隣接するグラウンドゴルフ場と一体的に整備した。昨年10月、市が運営委に無償で貸す契約を結び、グラウンドゴルフ場の利用が先に始まっていた。

 運営委はナスやトウモロコシといった野菜の栽培を見込み、農園に1区画約25平方メートルの44区画を用意。4月末時点で約30区画の申し込みがあるという。

 農園管理人の平山吉久さん(68)は「市外からの応募もあった。新浜で汗を流し、野菜を作りたいという思いがうれしい」と語る。

 新浜地区は歴史的に農業が盛んで、江戸時代から続く農家も多い。要望があれば住民有志が助言し、利用者をサポート。収穫祭などのイベントも計画する。

 地区は震災後、約150あった世帯数が約70に半減した。町内会は街歩きイベントを企画するなど、にぎわいづくりを続ける。

 新浜町内会の遠藤芳広会長(70)は「松林など豊かな自然の資源をうまく生かし、若い人が集まる生き生きとした地域を目指している。農園も、その一助になってほしい」と意気込む。

 農園の本年度の利用料は1区画5000円。申し込みは運営委090(9740)8321。

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