仙台港に1周7.8キロの防潮壁 復興会議方針集約

 宮城県は8日、県庁で仙台塩釜港復興会議の最終会合を開き、同港の復旧・復興方針をまとめた。仙台港では港湾一帯に総延長約7.8キロの防潮壁を新設し、岸壁機能の保護とともに製油所や工業地帯、港背後地の市街地を津波から守る計画を打ち出した。
 防潮壁は港湾道路に沿うように、仙台港の12埠頭(ふとう)全体を1周する形で整備する。新たな防護ラインと位置付け、高さは1~2メートル程度を想定している。
 塩釜港は、港湾部分と市街地の距離が近く、防潮堤など多重防護施設の新設が難しいことから、既存の防潮堤(高さ3.6メートル)の再整備で対応。地盤沈下などで低くなった部分をかさ上げする。
 被害が大きく復旧のめどが立たなかった仙台港高砂2号埠頭について、県は10月中にも一部利用を再開することを明らかにした。埠頭の330メートルの岸壁のうち、180メートルを部分復旧させ、北米航路の大型コンテナ船を接岸可能にする。
 残りの150メートル分も11月中の応急工事完了を目指す。被災したコンテナ用のガントリークレーンは4機中1機の修理が終わり、今月末までに稼働させる。
 県は、同埠頭の復旧工事を2012年度末までに完了させる方針。これで仙台港の全12埠頭が本格復旧する。
 仙台塩釜港復興会議は国、県と同港の周辺自治体、港の利用企業でつくる仙台国際貿易港整備利用促進協議会などで構成。今回まとめた復旧・復興方針は、新年度予算編成などに反映させる。

タイトルとURLをコピーしました