仙台白菜のつぼみ菜栽培 仙台大明成高、新食材「春菜」普及目指す

仙台大明成高(仙台市青葉区)が、せんだい農業園芸センター(若林区)などと連携し、伝統野菜「仙台白菜」のつぼみ菜の栽培に取り組んでいる。収穫されないまま冬を越すと、つぼみを付ける白菜の特徴に着目。春を告げる新たな食材「仙台春菜」と名付けて普及を目指す。

 同校食文化創志科の高橋信壮(のぶたけ)学科長(48)が、大正時代から県内で純度の高い種が生産されるようになった仙台白菜の歴史を踏まえ、生徒に食文化の重要性を伝えようと発案した。

 農業園芸センター、若林区藤塚地区の農事組合法人、角田市の農家の協力を受け、昨年9月に仙台市市民農園(若林区)などで取り組みを始めた。種まきを1カ月ほど遅らせ、収穫期に楕円(だえん)形に成長させずに葉が広がるよう栽培した。

 先端につぼみを付けた3月20日ごろ収穫を始めた。8日、食文化創志科の生徒や園芸センター関係者ら7人が市民農園で10キロほど摘み取った。3年奥田遥風(はるか)さん(17)は「白菜のつぼみ菜を知らなかった。甘くておいしい」と話す。

 園芸センターの食堂は中旬から仙台春菜のサラダを提供する予定。5日まで販売したパスタで手応えを感じた坂本邦雄所長(65)は「色鮮やかで味も良い。白菜の違った魅力を発信できる」と意気込む。

 来季は栽培面積を増やし、販路を広げたい考えだ。高橋学科長は「白菜のつぼみ菜は農家が自家消費し、市場に出回らなかった。春野菜が少ない宮城、仙台の新たな食材にしたい」と力を込める。

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