仙台空港復旧1年 国内線震災前の95% 国際線71%

東日本大震災で被災した仙台空港の機能が全面復旧してから、25日で1年がたった。国内線の利用客数は震災前の水準をほぼ回復、国際線も7割まで戻った。宮城県や経済団体は一層の利用促進に力を注ぐが、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中関係の緊迫化で上海線の新規就航が延期になるなど、完全回復の見通しは不透明な情勢だ。
 県によると、4~8月の利用客(速報値)は国内線、国際線合わせ112万6708人。震災前の2010年同期の93.1%まで回復した。
 国内線は昨年7月の再開後、順調に利用客が伸び、4~8月は10年同期の95.3%になった。
 国際線は7月に長春線が再開して震災前と同じ6路線に戻った。4~8月の利用客は8万人を超え、10年同期の71.7%を確保。10月1日にはグアム便が週2往復から週4往復となり、利用者増が期待されている。
 県や仙台市、仙台商工会議所などでつくる空港国際化利用促進協議会は10月13、14の両日、仙台市中心部で旅行情報を発信するイベントを開催。需要拡大を図る考えだ。
 着実に復興が進む仙台空港にとって、大きな懸念材料が日中関係の悪化だ。10月に新規就航予定だった上海線の運航計画は9月、急きょ中止になった。長春線も10月に3便が欠航する。
 県空港臨空地域課は「日中関係の緊張が続くと、他路線に影響が及ぶ可能性もある」と懸念している。

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