仙台空港駐車場で大規模太陽光発電 「カーポート型」来春完成 売電せず自前活用

仙台空港を運営する仙台国際空港(宮城県名取市)が空港の広大な利用客向け駐車場を活用し、太陽光発電を大規模に行うことが21日、分かった。発電設備は来年3月末完成予定で、発電した電力は空港ビルで使う。ソーラーパネルは各駐車スペースを覆う「カーポート型」で、車や利用者を雨や雪から守るメリットもある。

 設置場所はターミナルビルの南側にある第1駐車場(1279台)で、約半分に太陽光パネルを備えたカーポートを新設する。工事に合わせ、1台当たりの駐車スペースを拡大。全体の駐車台数は減るが、使い勝手を向上させる。

 パネルの設置枚数や全体の発電量がどれぐらいになるかは調整中。整備には国の空港脱炭素化推進事業費補助金を活用し、二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目指す。

 工事に向け10月上旬から現地調査を実施しており、駐車場のパネル設置エリアとその周辺は既に閉鎖されている。駐車場の混雑を避けるため、第2駐車場(544台)を今秋拡大し、新たに211台分増やすなど対応を進めていた。

 今回の取り組みはCO2排出削減の世界的な動きに加え、急激に値上がりする電力を自前で賄うことで電力コストの平準化を図る狙いもある。売電は行わないという。

 仙台空港の担当者は「工事に伴い、一時的にご不便をおかけする。特に年末年始は満車が見込まれるので、公共交通機関も検討いただきたい」と理解と協力を求める。

[空港脱炭素化推進事業費補助金] 空港の脱炭素化推進のため、空港で使う車両を電気自動車に代えるための費用や、太陽光発電などの再エネ導入工事費が最大50%補助される。2022年度の国の事業で、対象は空港の管理者や空港内の事業所など。事業計画提出後、審査を経て交付が決まる。

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