1945年7月10日にあった仙台空襲の2日後に仙台市中心部を撮影したオリジナル写真21枚が、青葉区の市戦災復興記念館の収蔵庫から見つかった。写真の一部は複写されて記念館の展示パネルや市史写真集などに使用されてきたが、現物の存在は長らく忘れられていた。関係者は「空襲の惨状を伝える一級の史料」と再発見を喜んでいる。
写真はキャビネ判で、旧陸軍の除隊記念とみられる黒いアルバムにのり付けされている。最終ページには鉛筆書きで「元県警鑑識課 佐藤治平氏」などと記されており、佐藤氏から市広報課を経て記念館に託されたことがうかがえる。
セピア色に色あせた写真には、JR仙台駅北側の「X橋」から南方面、日本銀行仙台支店付近から北東方面の市中心部などが写し出されている。家も店も樹木もなく、街を一夜にして焼け野原に変えた空襲のすさまじさが伝わる。
詳しい経緯は不明だが、アルバムは記念館地下の収蔵庫に保管され、館内の目録にも記載されていた。1月31日と1日の2日間の日程で開かれた記念館開館30周年事業の準備中だった1月10日、職員が見つけた。
市史編さん室によると、当時は物資不足で市民がカメラを持つことは少なく、報道機関や軍関係も空襲直後を撮影した写真はほとんど残っていないという。
太白区のメディア史研究家渡辺慎也さん(80)は「仙台の戦災復興の原点となる写真。いつ誰がどんな目的で撮影したのか、明確になったことは意義深い」と語る。
市歴史民俗資料館の佐藤雅也学芸室長は「画像をデータ化し、修正すれば新