仙台育英高(仙台市宮城野区)の空手道部員9人が6月、遠征先で飲酒していたことが14日、関係者への取材で分かった。顧問が代金を提供し、保護者が酒を購入していた。部員は停学などの処分を受け、顧問は謹慎処分となった。同校空手道部は全国大会に出場歴がある強豪。
宮城県仙台市© (C) KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO.
■高体連に報告せず
宮城県空手道連盟によると、事案は東北高校空手道選手権出場のため、盛岡市に遠征した6月25日夜にあった。部員1人が酒の購入を保護者に頼み、近くにいた20代の男性顧問が保護者に金を渡した。保護者はアルコール飲料十数本を購入し、部員9人がホテルの部屋で酒を飲んだ。
別の保護者が学校側に通報して発覚。学校は顧問を謹慎させ、飲酒した部員9人を停学処分とした。9人は退部した。一方、学校側は全国高体連空手道専門部に飲酒の事実を報告せず、8月17~20日に愛媛県であった四国インターハイは理由を伏せたまま棄権した。
同28日に情報提供を受けた連盟が保護者らに聞き取りを行い、事案を確認した。今月7日、連盟強化委員だった顧問を解任した。
■事務局「答えられない」
同校を運営する学校法人仙台育英学園の事務局は取材に「生徒のプライバシーに関わるので(事案については)答えられない。男性顧問については適切に対応した」と話した。
連盟の佐々木英彦筆頭副会長は「教育現場での飲酒は許されることではなく、制止する義務を怠った顧問の責任は重い。学校側がすぐに事案を報告しなかったのも問題で、事実を認めて再出発してほしい」と語った。
同校のホームページによると、空手道部は4月の全国選抜大会で男子団体組手で5位入賞し、男子個人組手でも3位に入った。