仙台荒浜・集団移転跡地にBBQ場オープン 手ぶらで食事楽しめ、敷地内に貸農園やカフェも

東日本大震災の津波で被災した仙台市若林区荒浜地区に8日、バーベキュー場「Garden Kitchen(ガーデンキッチン) 海と風」がオープンした。市が進める防災集団移転跡地利活用の一環で、東北黒沢建設工業(仙台市)が整備した。同社は「手ぶらで楽しめる」をコンセプトに掲げ、沿岸部のにぎわい創出に一役買う。

 震災遺構「荒浜小」や深沼海水浴場に近い貞山堀の西側に完成した。敷地面積約2万8000平方メートルのうち、バーベキューエリアは約1万8000平方メートル。10メートル四方にコンロやベンチ、あずまやなどを備えた区画が30あり、軒先で料理する個室の7部屋も用意する。

 営業時間は午前11時~午後8時半。水曜定休。利用料は食材や調理器具が付いた標準プラン(平日3時間半)が4378円など。昨年12月末に先行開業したカフェに隣接している。

 敷地内には貸農園(約1万平方メートル)も設けた。来年度以降、まずは6メートル四方の計58区画を1区画当たり年間3万9600円で貸し出す予定。収穫した野菜などをバーベキュー場に持ち込むこともできる。

 震災前の緑豊かな荒浜地区をイメージし、敷地全体に「居久根」風の植栽を巡らせた。総工費は約3億円。経済産業省の事業再構築補助金を活用した。年間約1万人の来場を見込む。

 現地で記念式典があり、郡和子市長は「手を携えて、沿岸地域に新たな活力を生み出す取り組みを続けていく」と述べた。同社の佐藤正之会長(71)は取材に「荒涼とした状態だった荒浜に人が来るようになってきた。いいサービスだったと思ってもらえるよう頑張りたい」と話した。

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