仙台赤十字病院は14日、「仙台赤十字病院・宮城県立がんセンター統合新病院」の基本構想を公表した。規模は400床程度、延べ2万8800平方㍍を想定し、建築費は約210億円を見込む。
宮城県が2021年9月に公表した「政策医療の課題解決に向けた県立病院等の今後の方向性について」の中で、仙台医療圏の4病院再編の方針を示した。当初の計画では仙台赤十字病院と宮城県立病院機構の宮城県立がんセンター(名取市)を統合し名取市内に新たな拠点病院を整備し、宮城県立病院機構の宮城県立精神医療センター(名取市)と労働者健康安全機構の東北労災病院(仙台市青葉区)を富谷市に移転・合築する構想を立案。昨年12月に宮城県と宮城県立病院機構、仙台赤十字病院の3者で基本合意を締結した。
新病院の建設予定地は国道4号沿いの名取市植松入生の敷地4万7781・15平方㍍で、名取市から無償貸与を受ける予定だ。新病院の設置と運営は日本赤十字社が担う。
集積する基本機能は救急医療、周産期医療、がん医療、災害医療、新興感染症対応、地域医療、人材育成ほかで、診療科は35科を想定する。病床は一般、母体・胎児集中治療室(MFICU)、新生児集中治療室(NICU)、新生児治療回復室(GCU)、集中治療室(ICU)、高度治療室(HCU)の400床程度。職員数は850人程度を確保する。
事業費は約300億円で、このうち建築事業費が210億円、医療機器・情報システム整備費が約51億円、その他が約39億円。財源には地域医療介護総合確保基金、医療提供体制施設整備交付金等、宮城県による財政支援などの補助金200億円と借入金100億円を充てる考えだ。
開院は30年度中をめどとする。
なお仙台赤十字病院は、「仙台赤十字病院・県立がんセンター統合新病院整備CM(コンストラクション・マネジメント)業務委託」を公示済で、近く契約者を公表する見通しだ。