[東京 14日 ロイター] 金融庁は14日、仙台銀行と筑波銀行(8338.T: 株価, ニュース, レポート)に対し、公的資金を計650億円注入すると発表した。東日本大震災からの復興に向け、融資が円滑に進むよう財務基盤の強化を図る。
両行は震災後、公的資金注入の申請検討を表明していた。公的資金の注入に用いる「金融機能強化法」は、震災を踏まえて金融機関が使いやすくなるよう改正した。改正後の公的資金注入は初めて。
両行の発行する優先株式を政府が引き受けるかたちで、仙台銀行に300億円、筑波銀行に350億円の公的資金を注入する。これにより、仙台銀と筑波銀は、震災で取引先の経営が悪化した影響による不良債権の処理を進め、復興に向けた資金需要に備える。
金融機能強化法は、被災地域などの融資が滞らないよう、金融機関の財務基盤を強化する狙いで法改正した。公的資金を注入しても経営責任を問わないことなどを盛り込み、従来に比べ金融機関にとっての使い勝手をよくした。
これまでに、仙台銀と筑波銀のほか、七十七銀行(8341.T: 株価, ニュース, レポート)も申請検討を表明している。自見庄三郎金融担当相は、3次補正予算の性質・規模や企業の中間決算の動向次第では、東北地方を中心に他の金融機関も「(公的資金の申請に)手を挙げてくるとの予想もある」と述べている。