仙台駅前デッキ禁煙へ 灰皿移設検討 国連防災会議を意識

受動喫煙防止に向け、仙台市がJR仙台駅西口のペデストリアンデッキの喫煙スペース廃止を検討している。灰皿を設置する日本たばこ産業(JT)仙台支店と協議を始めた。国連防災世界会議の開催が1年後に迫り、玄関口のイメージアップが必要と判断した。市とJTは年度内にも、JR東日本仙台支社に対し、駅構内の別の場所に喫煙場所を確保できないか、協議を申し入れる。
 喫煙スペースは現在、駅西口のエスパル寄りとパルコ寄りに1カ所ずつ設けられている。道路区分は市道で、歩きたばこやポイ捨てが社会問題化した05年以降、市が道路占有を認める形でJTが灰皿を置いている。
 喫煙者のマナー向上により分煙が図られている一方、市には「近くを通ると煙たい」「白煙が上がる光景は杜の都の美観を損ねている」との意見が寄せられているという。2015年3月の国連防災世界会議で、世界各国から訪れる関係者に好印象を持ってもらうため、市は喫煙スペースの見直しが必要と判断した。
 JTは市に対し、協力する姿勢を示しているという。両者は近く、代替スペースの確保に向けた協力をJR側に呼び掛け、夏をめどに場所や広さなどを決めたい考えだ。
 受動喫煙をめぐっては、国が10年、公共空間を原則全面禁煙とするよう自治体に通知。仙台市もガイドライン案をまとめ、環境の改善に向けた施策を展開してきた。

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