仙台駅前GSビル解体開始 来夏完了予定も跡地利用は未定

1月末で閉鎖したJR仙台駅西口の商業ビル「GSビル」(仙台市青葉区中央1丁目)で解体工事が始まったことが26日、分かった。2019年夏にも完了する見込み。跡地利用の方向性は固まっておらず、仙台駅前の一等地の再開発の行方が焦点となる。

GSビルは鉄骨一部8階、地下2階で敷地面積は約1030平方メートル。オリックス(東京)が土地を、同社出資の合同会社「ジョイントアーク17」(同)が建物を所有する。関係者によると、解体工事は今月中旬に始まり、工期は約1年2カ月の見通し。
GSビルは1957年に建設された「日乃出興業ビル」が前身。仙台市が2017年に公表した耐震診断結果で、震度6強~7程度の地震で倒壊または崩壊の危険性が指摘され、ビル側の求めに応じて飲食店などのテナントが退去していた。
解体後の跡地について、オリックスのグループ広報部は「利用計画は未定だが、開発も見据え解体している」と説明する。
オリックスは、GSビルに隣接する同社関連の複合商業施設「EDEN(エデン)」との一体開発を視野に入れてきた。エデンのテナント契約は当初、期限が今年1月末までだったが、2年間延長した。
仙台駅前では17年2月、GSビルから青葉通を挟んで向かいのさくら野百貨店仙台店が破綻。複数の地権者が解体の有無を含め再開発に向けた協議を続けているが、方針は定まっておらず、空洞化の懸念が強まっている。

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