仙台駅東部にスポット 地元の商店主が写真集発行

仙台市宮城野区原町3丁目で印章店「仙章堂」を営む庄子喜隆さん(56)が、JR仙石線の今昔を振り返る写真集「仙石線旧線漫歩」を発行した。地上から線路が消えた仙台駅東側に焦点を当て、沿線の移り変わりを紹介している。庄子さんは「東口などの歴史探訪に役立ててほしい」と話している。
 仙石線は、交通渋滞の解消や市街地の再開発を目的に2000年、宮城野区の仙台-陸前原ノ町間で線路を地下化した。
 写真集は、この区間で地上を走る懐かしの電車や乗客が行き交う駅舎の様子約50枚を収録。踏切などがあった9カ所は、当時と現在の写真と並べて景観の変化を確認できる。
 かつて地上に線路が敷かれていた付近の宮城野区榴ケ岡や二十人町の「仙台駅東第2地区」では現在、区画整理が進められている。
 写真集には、地下化前と現在の線路の位置を比較できる地図も付いており、散策の手助けになる。
 陸前原ノ町駅近くで育った庄子さんにとって電車の走る姿や、踏切の鳴り響く音は暮らしの一部だった。鉄道好きが高じ、高校時代に写真部へ入部してから沿線風景を撮りためるようになった。
 庄子さんは「仙石線の地下化で区画整理が加速した半面、商店が居並んでいた当時の活気は失われた。今後、もの静かな街になっていくのではないか」と語る。
 写真集はB5判31ページで1700円(税込み)。仙章堂のほか、青葉区の金港堂本店、丸善仙台アエル店、ジュンク堂書店仙台ロフト店でも取り扱っている。連絡先は仙章堂022(256)2340。

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