宮城県石巻市が要望していたJR仙石線の「蛇田新駅(仮称)」設置について、市とJR東日本が基本的に合意した。両者は駅舎基本設計の協定を締結。21日のJR仙台支社長定例記者会見で、支社の相沢義博企画部長は「設置する方向で進めている」と述べた。
新駅は陸前赤井-蛇田間に整備する計画。市は駅舎の基本設計をJR東に委託する協定を結んだほか、駅前広場の実施設計も業者に発注し、事業を本格化させている。
数億円と見込まれる駅舎の設計や建設などの費用は、市が全額負担する。来年度は実施設計や設置などの協定手続きを進める見通し。
東日本大震災で被災した仙石線は2015年の全線復旧を目指している。新駅の開業時期は両者で協議している。
市は新駅近くに集団移転用の団地を整備する。約6000人の居住を想定していることから、住民生活の利便性を向上させるため「請願駅」として新駅設置をJR東に働き掛けていた。
相沢部長は会見で「手続きはまだ残っているが、一定程度進んでいるという理解で結構だと思う」と語った。