仙石線新ルート用地と被災ルート 東松島市とJR売買へ

 東日本大震災で被災し、内陸への移設が決まった宮城県東松島市のJR仙石線陸前大塚-陸前小野間について、市は28日、市有地となる新ルートとJR東日本所有の現ルートを、両者間で売買する方針を固めた。市とJRは近く、売買などを明記した協定を締結し、全線復旧を急ぐ。
 売買するのは、陸前大塚-陸前小野の現ルート約6.4キロの一部と、約500メートル内陸側に移設する新ルート約3キロ。市は津波被害に遭った現ルートの価格を低く設定するよう求めている。JRは2路線の等価売買を望んでおり、調整が続いているという。
 市は防災集団移転事業などを活用し、新ルートの用地を買収。造成を行った後、JRに売却する。代わりに市は現ルートの用地を買い取る。線路撤去後の買い取りを要望しており、活用策として、遊歩道やサイクリングロードが浮上しているという。
 協定は4月初旬に結ぶ方向で調整している。書面には用地売買のほか、移設に関するJRと市の役割分担などを盛り込む予定。
 仙石線で現在、不通となっているのは高城町(宮城県松島町)-陸前小野間。JRは3年半程度で全線復旧を見込む。ほかのJRの被災路線では常磐線の宮城、福島県境でルート移設が決まっているほか、気仙沼線でバスを導入した仮復旧が検討されている。山田、大船渡両線は具体的な復旧方針が固まっていない。

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