福原遥(写真・朝日新聞社)
「コロナ禍の影響で、大手企業は軒並み広告予算を絞る予定です。タフな交渉ですよ」
と語るのは大手広告代理店関係者だ。“タフな交渉” とは、春から始まる新CMをめぐる契約のことだ。
「CMには2種類あって、商品CMは新商品を発売するたびに契約し、制作します。一方、企業そのものの認知度を高めるための企業CMは、年間で予算を組み、その予算に従って通年で契約を結ぶことがほとんど。
営業部隊は今まさに春から始まる新しい企業CMに向けて営業をかけている最中です。数々のデータやアンケート調査をもとに、候補となるタレントを具体的に提案し、金額交渉をおこなうんです」(同前)
本誌は今回、広告代理店関係者が実施した2種類のアンケートを入手した。ひとつめは、大手広告代理店が抱えるクリエイター300人に聞いたCMに「起用したい女性タレント」「起用したくない女性タレント」だ。
一人につき3名まで名前を挙げてもらい、1位は3点、2位は2点、3位は1点とし、合算した点数でランキング化している。もうひとつは、同じ内容をクライアントとなる大手企業300社に聞いたアンケートだ。
クライアントが求める女性タレントは綾瀬はるかや、広瀬すず、新垣結衣など見慣れた名前が並ぶ。一方で、CMを作る側であるクリエイターの回答には、NMB48の渋谷凪咲や、シンガー・ソングライターのmilet(ミレイ)などの “新世代” が並ぶ。
「共通していえるのは、コスパが大事だということ。クリエイティブという観点だけなら、クリスティアーノ・ロナウドのような海外の超大物も使ってみたいし、クライアントが求める有名女優をそのまま使いたい。
しかし結局は予算の面や競合他社との兼ね合いで実現しないケースがほとんど。だから我々としては、安くて今っぽい、コスパのいいタレントを提示するんです」(広告プランナー)
“今っぽさ” で見事1位に輝いたのは福原遥だ。
「なんといっても次期朝ドラヒロインですからね。高齢者にも “孫キャラ” としてウケそうです。ブレイク必至な渋谷凪咲も今から起用したい。トーク力に加え、天然っぽさを利用して “愛される商品” を訴求するのにバッチリ」(クリエイティブディレクター)
また、YOASOBIのボーカル・幾田りらなど、女性アーティストも躍進している。
「アーティストは楽曲のプロモーションとして出演してくれるのでギャラが安いんです。幾田さんはZ世代にウケるし、miletさんはルックスが抜群で、東京五輪閉会式でのパフォーマンスや北京五輪のテーマソングで認知度が高いです」(別のCMプランナー)
芦田愛菜や清原果耶は、クリエイターとクライアントのどちらにも人気のようだ。
「芦田さんほど日本中の人が名前と顔を一致させられる人はいないでしょう。清純さという意味では清原さんも同じく人気ですが、清原さんは将来的な活躍を見込んでの評価です」(CMディレクター)
かたや、起用したくないタレント1位は大坂なおみ。大手クライアント300社が選ぶ起用したくないタレント1位も同じ回答となった。起用したくないと名前が挙がるタレントには、本人が抱えるリスクと、現場評の2つの原因があるという。
「大坂なおみさんは、CMに起用するにはメンタルが不安定すぎます。また松嶋菜々子さんは安定した人気はありますが、細かすぎる写真修整の指示など、現場での評判が悪いんです」(CMディレクター)
本人は悪くなくても周囲にいる大人のせいで敬遠されるケースもある。
「今田美桜さんや、のんさんはそのタイプ。Koki,さんも、必ず工藤静香さんがついてくるのはやめてほしいですね……」(同前)
あなたが春に見たい「推し美女」は誰?