令和のマラソンシューズは「厚底ブーム」 仙台ハーフで「薄底派」と二分、専門店の見解は?

空前のマラソンブームが続く中、最近のランナーの足元が厚底派と薄底派に分かれている。好記録が相次ぐ日本男子マラソン界の影響を受け、仙台ハーフでもトップ選手と同じ最新シューズが目立った。
 特に目を引くのがオレンジ色の厚底シューズ。昨年10月に日本記録を塗り替えた大迫傑(ナイキ)が履くナイキの最新モデルで、体勢が前のめりになる厚底ブームの火付け役だ。
 川崎市の国家公務員菊地孝夫さん(39)は「大迫選手に憧れて買った。ふわふわ飛び跳ねるように走れた」と話す。仙台市宮城野区の会社員伊藤祐さん(27)は「バランスを保つのは難しいが推進力があった」と納得した表情だった。
 相場は2万6000円前後とちょっと高め。宮城県柴田町の会社員平間和幸さん(39)は「速い仲間と一緒に走る大会だから、靴の力も借りたかった」と特別な思いで選んでいた。
 対照的なのは公務員ランナーからプロに転向した川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)が使うアシックスなどの薄型シューズだ。
 値段は1万6000円前後と比較的手頃で、軽くて脚の負担が軽減される。仙台市宮城野区の大学教員矢部寛明さん(35)は「厚底も気になるが価格が高い。膝が痛くなるので履き慣れた靴で走った」とお気に入りの一足で完走を遂げた。横浜市の看護師半沢順子さん(58)は「ハーフなら軽くて負担が少ない薄底がちょうどいい。フルマラソンの時は厚底で走っている」と使い分けて楽しんでいるようだ。
 最新シューズで自己ベストを出した人もいれば、使いこなせずに終わる人もいる。仙台市青葉区のスポーツシューズ専門店の山本あゆみ統括店長は「厚底ブームはあるが、履きこなせずけがをした人もいる。走り方や目標タイムなどに合わせて選ぶことが大切」と呼び掛けている。

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