味の素(東京)の海外のグループ企業に勤務する社員12人が18日、亘理町の公共ゾーン仮設住宅を訪れ、東日本大震災で被災した住民らと郷土料理のはらこ飯作りで交流を深めた。
社員はフランス、インドネシア、マレーシア、など九つの国と地域から参加。町食生活改善推進員協議会のメンバーの指導を受けながら住民約30人とともに、はらこ飯やあら汁など4品を調理した。住民がサケの身をしょうゆベースのだしで煮たり、イクラをぬるま湯でほぐしたりする作業を見よう見まねで手伝った。
ペルー味の素の広報部長を務める日系2世の佐藤ドラさん(59)は「普段あまり料理をしないので、失敗しないか緊張した」とほっとした様子。母方の祖母が宮城出身といい、「被災者が楽しんでいる姿に料理の力を感じた。母や現地のみんなに、震災に負けず元気で暮らしていることを知らせたい」と話した。
味の素は昨年10月から被災3県の仮設住宅などを巡回して「健康・栄養セミナー」を開講している。外国人社員らは同社が東京で開いたグローバル広報会議のため来日し、ボランティアで初めて参加した。